嘲笑レッド○ーペット |
舞台中央よりゾロ登場。随分と走ったか肩で息をしている。 ゾロ「この大事な日にどこへ消えやがったクソコック…!」 忌々しげに吐き捨てるゾロ。 と、そこへ舞台上手より、ナミと腕を組んだサンジ登場。 サンジ「僕ァ幸せだぁ〜、ナミさんと二人っきりでデートだなんて…」 ナミ「ちょっと付き合っただけで大袈裟ね。でも嬉しいわァ、欲しかったのティ○ァニーのトリプルオープンハート! ごめんね、高いのに」 サンジ「ンンンンお安い御用だよォ! ナミさんへのホワイトデーだもの、このくらいはしなくちゃね」 ゾロ「ちょっと待てクソコック!」 全身をくねくねさせるサンジと胸元に輝くトリプルゴールドのネックレスを弄るナミ。 ぼんやり二人のやり取りを見ていたゾロ、突然カップルの間に割り込んでいく。 ナミ「あらゾロ、どうしたのこんなところで」 サンジ「まった迷子かァ? しょうがねェヤツだな」 ゾロ「しょうがねェのはてめェだ! ちっと目ェ離したらまた魔女にたかられてやがる!」 サンジ、「まあ失礼ね」と膨れるナミをまあまあと往なしながら、ゾロに凄む。 サンジ「オラ失礼なコト言ってンじゃねェぞ! こりゃあバレンタインチョコのお返しだ。気の利かない野郎共を代表してこのジェントルコック様が」 ゾロ「アホか『今年は逆チョコが流行なんだ』っつってお前が渡してたじゃねェか!」 サンジ「マジで!?」 ゾロ「しかもキリ○ト教系のイベントだからつってチョコの中にテ○ファニーのクロスネックレス仕込んでただろ!」 サンジ「マジで!?」 ゾロ「更に『ちょっと趣味じゃないから悪いけど次の島で質屋に入れちゃおうかな』って言われて」 サンジ「マジで!?」 ゾロ「朝イチで換金に行ったばかりだろうが!」 サンジ「アアアアアアアアアアアアアアアアアアア」 思わずその場に泣き崩れるサンジ。 ナミは明後日の方向を向いて口笛を吹いている。 サンジ「クリスマスに上げた天使のネックレスもベリーにしてきちゃったアアアアアアアアア」 ゾロ「ちったァ懲りろよ!」 サンジ「だってナミさん可愛いんだものオオオオオオオオオ」 ゾロ「…くッ!」 泣き喚くサンジにどう声をかけていいか戸惑うゾロの肩を、後ろから回り込んだナミがそっと叩き、小声で耳元に囁く。 ナミ「騙されて泣いてるお前のほうがもっと可愛いって、言ってあげたら?」 ゾロ「ナミ…?」 ナミ「サンジ君、一緒に買い物しててもアンタのことばかり話題にするのよ。マリモのピアスも三連みたいに色の違うヤツにしたらいいのに、とか」 ゾロ「ホワイト、イエロー、ピンクの色違いゴールドか」 ナミ「アンタが詳しいと引くわね」 ゾロ「さっき伊○丹グランドライン支店で見てきたばかりだ」 ハッと泣きやみ、恐る恐る背後を振り返るサンジ。座り込んだまま。 サンジ「お前が百貨店へ…? まさか、誰かにプレゼントとか?」 ゾロ、慌てて口を押さえ目を逸らす。 その気まずげな態度にサンジは引き攣った微笑みを浮かべながら、 サンジ「…なんだ、お前もナミさんに…」 震える声にゾロとナミ、「えっ」と顔を見合わせる。 慌てて遠い目になったサンジを取り囲み、 サンジ「センスのカケラもねェクソだせェ腹巻だとばかり思ってたが、ちゃんと考えてんじゃねェか」 ゾロ「おい?」 ナミ「ちょっとサンジ君?」 サンジ「いやイイんだ! …良かったねナミさん、質草がまた増えて」 ナミ「…サンジ君のバカ!」 叫ぶなり真横に立つゾロの頬をビンタするナミ。 ゾロ「って俺かよ!」 ナミ「アンタがハッキリしないからサンジ君がおかしな誤解してるじゃないの!」 ゾロ「…う!…」 ゾロ、ギクリと仰け反る。 ナミ「いいチャンスだから告白しちゃいなさいよ」 サンジ「告白…?」 ゾロ「………」 ナミ「聞いてサンジ君、ゾロったら今日のために利子込み40万ベリーも借金を増やしたのよ?」 サンジ「今日の…? …アッ!」 ゆっくり起き上がったサンジは何かに気付いた体で正面中空を凝視する。 サンジ「3月2日…俺の誕生日だ…」 ゾロ、舌打ちしつつ軍靴の先で土を蹴る素振り。(BGM「ハッピーバー○ディ」※音量静かに) ナミ「あとはゾロから聞いて頂戴? ごめんねサンジ君、あんまり当てられちゃったもんだから、ちょっとイジワルしたくなったの」 サンジ「ナミさん…」 ナミ「今夜は帰って来ないって皆には言っておくわね。お二人さん、お幸せに!」 笑顔で手を振りながら、ナミ、下手に退場。 しばし見送った後、サンジ、俯き加減に振り返る。 サンジ「…ハハッ、イヤだなナミさん、ヘンな誤解しちゃって」 ゾロ「…誤解じゃねェ」 サンジ、息を呑む。 ゾロ「魔女の言う通りだ。折角の下船だから、お前に何かくれてやるつもりで…」 サンジ「ゾロ」 ゾロ「受け取ってくれるか」 ゾロが腹巻から取り出したのは小さな紙袋。中央部には金の箔押しでティファ○ーのロゴ。 中に入っていた箱をまっすぐ差し出され、サンジの瞳が大きく開かれる。 サンジ「―――これは…!?」 ゾロ「昔てめェが、本気の相手にゃ指輪だって言ってたからな」 サンジ「定価12万3500ベリーの、ゴールド三連ラブリング…!」 ゾロ「つけてみちゃくれねェか?」 サンジの震える指を、そっとゾロが取る。 二人の影が重なる瞬間、ふいにサンジは顔を逸らしてしまう。 ゾロ「どうした? 気に入らなかったか?」 サンジ「貰えねェよ…! だって俺、いつもてめェには酷いコトばっかり」 ゾロ「そりゃおあいこだ」 サンジ「それにホラ、俺ァコックだから。…折角のプレゼントだけど、仕事中つけとくわけにも」 ゾロ、人差し指をサンジの唇にあてセリフを遮る。 フッと片側の口角を上げ、サンジの手元を覗き込む。 ゾロ「良く見てみろ」 サンジ「…17万8000ベリーのダイヤモンドネックレス…!」 ゾロ「指輪はそれにぶら下げときゃ、邪魔になんねェだろ」 サンジ「合計30万1500ベリーか…てめェもボッタくられてるぜ…?」 見詰め合うふたり。(BGM「マイ・ハ−ト・ウ○ル・ゴー・オン〜タイ○ニック・愛のテーマ〜」サビ1スタート※大音量で) ゾロ「メシは美味ェが気に食わないヤツだと思ってた」 サンジ「目の前で斬られたとき何故だか胸がざわついた」 ゾロ「ちょっとのことにムカついて、罵りあっていたあの頃」 サンジ「けれどいつだって、お前から目が離せなかったあの頃」 どちらからともなく手のひらを重ね、指先をしっかり絡め合わせる二人。 ゾロ「人の為に傷ついてばかりいる体を抱きしめたくて」 サンジ「決して後ろを振り返らない背中を手に入れたくて」 ゾロ「誕生日なんて陳腐な切欠に頼りたくなった」 サンジ「誕生日だから素直になっても許されるなら」 ゾロ「クソコック…」 サンジ「クソ剣士…」 つないだままの両手を左右に伸ばし、視線客席へ。 ゾロ・サンジ「イエス! フォーリン・ラブ!」 おわり |
なんで○ィファニーかっていうとポピュラーだから? みたいな いろんな意味で個人的に癒されている番組です。うんまあカブりたくなかったんだ サンちゃんハピバ! (2009.03.02) |
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