□ 桜の山 陸
酒も入り、いいかんじに酔っ払ったサンジをゾロはこっそり連れ出した。 「なんだよ〜、飲んでんのに」 足取りがすでに覚束ない。 ふらふらするサンジの手を引き、山の奥まで入っていった。 天はピンクの花に覆われ、隙間から青空がのぞいている。 地面も若草の緑と花びらのピンクのまだらになっている。 時々ふわふわと花びらが漂う。 ぽかんと口を開け、子供のような顔でサンジはその光景を見ていた。 ゾロはそうっと背後から抱きしめると、「二人で花見しようぜ」とサンジの衣服を全て剥ぎ取ってしまった。 上気した肌は桜の白さを浮き上がらせる。 「さくら色だな」などと言いながらキスをするのが非常にオヤジっぽい。 雰囲気に弱いサンジは、くすくす笑いながら、されるがままに一際大きい桜の木に寄りかかった。 唇から始まり、首筋、肩、二の腕、胸、と唇が降りてくる。 子供が乳を欲しがるように、ゾロは片方を吸い、片手で反対側を全体で揉むようにしながら親指で突起を転がす。 「んんっ・・・」 機嫌のいい甘い声にゾロも満足し、歯に軽く挟んでは舌で捏ね、ちょっと強めに吸う。 指で摘まんで捏ねると、しだいに赤みを増し固くなる。それを指で何度もはじいて感触を楽しむ。 「そこばっかりすんな」 ゾロの肩に手を置いて、サンジが潤んだ目でゾロを睨んだ。 にやりと笑うと、ゾロの唇は下へと下りる。 腹筋の段差を越え、臍の窪みに舌を伸ばしてくすぐり、金の茂みへ辿りつく。 ちゅっと軽くキスすると、芯を持ち始めたものを口に含む。 太ももを軽く叩き足を開かせると、ぬるりとした液をまとった指が尻へと潜り込んできた。 「はぁっ、あっ、あぁっ・・・」 甘く掠れた声が密やかにこぼれる。 サンジはゾロの頭を掴むと、白い指を緑の髪に絡ませた。 さわさわという梢の音に混じり、秘めやかな喘ぎとくぐもった水音が春山に流れる。 「ぞろぉ、も、ダメ・・・」 サンジの足が震えている。 立っているのも辛く、ゾロの口の中の物も限界のようだ。 「そっち向いて手ェ付いてろ」 気だるげに身体を反転させ、サンジは素直に桜の幹に手をついた。 目の前に晒されたサンジの蕾は赤く色づき、ゾロを待ちわびている。 ゾロはごくりと唾を飲んだ。 「な、ぞろ・・・」無意識に尻が揺れ、男を誘う。 「あっ、あっ、あぁっ・・・」 激しく身体を揺さぶる。 「エロすぎだ、てめぇ」 ぐっと奥まで押し込み、ぐりっと捻る。 「ひあぁ・・・」 一際高くサンジが鳴く。 花びらがふわりとサンジの背に降り、湿った肌に張り付いた。 一枚、二枚、と降る花びらは、サンジの肌よりも白く儚い。 手の中の確かなサンジの感触に満足の吐息をもらし、小刻みに身体を揺する。 手が胸に伸び、指が小さな突起を転がし感触を楽しむ。 「んっ、うんんっ・・・」 鼻にかかる甘い声でサンジは鳴く。 ころりと肩先に花の形のまま、桜が落ちてきた。 ゾロはくくっと喉で笑うと、大きく身体を突いた。 花はころころと転がり、肩甲骨の間に納まる。 「あぁ・・ぞ、ぞろっ・・・」 サンジがゾロを求める。 声の甘さにゾロは背筋を震わせると、一気にクライマックスへと向かう。 「い、いぃっ・・ぞろ・・・」 身体の動きと快感に、舌っ足らずにゾロを呼ぶ。 白い花は薄紅に染まった肌の隙間で揺れている。 カン高くサンジが鳴く。ゾロはキュゥと求める内部へと欲望を放った。 しばらく胸と背をくっつけて抱き合う。 熱が収まると、サンジの抱く桜に嫉妬のようなものを感じ、幹に回っていた手を自分へと向けさせた。 一旦離した身体を、正面から抱き合って口付ける。 サンジはゾロの首に腕を回し、自分からも舌を絡めた。 ざらりとした木肌に、とろりと白濁した液が流れている。 サンジがとろりとした笑みを向ける。 ゾロは腰を引き寄せ、草むらへと倒れこんだ。 柔らかな草に横たえ、腕も足も絡めてキスする。 空は青く、日はまだ高い。 「いい天気だなぁ」 サンジが幸せそうに笑った。 END
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